三方一両損とは

落語の演目のひとつ。
江戸時代の人情噺や落語で有名な言葉であり、当事者二人と調停者の三者がそれぞれ少しずつ損をして、全体として円満に問題を解決するという考え方を示す。
三両のお金が入った財布を落とした者、その財布を拾った者、両者が受け取らないため大岡越前がその財布に一両足して四両にし、両者に二両ずつ分けて渡して解決させたという話。
三者が皆ひとつ損をすることにより、公平な解決になったということ。
この語は、公平・中庸・和解の精神を象徴するもので、人間関係や交渉においてバランスの取れた解決策を示す際に用いられる。

例文

・話し合いが長引いたが、三方一両損の精神で円満に和解した。
・契約条件を少しずつ譲り合って、三方一両損の形で調整した。
・どちらの言い分も正しいから、ここは三方一両損でいこう。
・商談では互いに譲歩して、三方一両損の落とし所を見つけるのが大切だ。

五文字熟語 三方一両損
読み さんぽういちりょうぞん
英訳 A compromise where all three parties share a small loss
使用漢字